北海道発!ドラッグレースシリーズ 〜 北海道ドラッグレースチャンピオンシップ

ドラッグレースをより楽しめる様になるお話「60ftについて」

2015年9月19日
image03
上士幌が終わったと思ったら、もう次の愛別のエントリーが始まっています!

走行データや、画像のアップが完了する前に受付開始なんて慌ただしいですが、目標があるのって良いですね!

一年に一回しかレースが無い状況とかだと、テンション保つのも難しいですから。

嬉しい悲鳴です!

さて、前回の「ドラッグレースがより楽しめるようになるお話」はスタート編をお送りしました。

スタートの緊張感、反応速度の重要さ、リアクションタイムの影響等のお話がありましたね。

前回見逃した方は、こちらの記事をご覧ください。→

今回は、その緊張のスタートからのー、ビンビンに神経とがらせてスタートしてからのー、60ftのお話です。

ココ重要です。ビンビンに神経とがらせた直後という所。

そもそも60ftとは、どのくらいかというと、約18mです。

ココの何が重要なの?400mもあるのに、18mのタイムがどしたの?

と、ドラッグレースを知らない方は思います。

そりゃそうですね。だってドラッグレースを、ただ全開する競技だと思っている人が多いと思います。

昔、サーキットをメインに走行している人をドラッグレースに誘ったら、彼は「だってただの直線でしょ?」って言われましたwww

そこで僕はカチンと来て「同じバイクに乗ったら、100本走っても100回お前に勝つよ。ドラッグなめんな。」と暴言に近い言葉を吐きました♪

熱くなってごめんなさい。

だってホントの事だもん!

気合いで全開にしたら勝てるとか、そういう事じゃないですから!

全開なんて当たり前だし、気合いでタイム出ないしwww

相当話がそれました。またもやゴメンナサイ。

60ftの話に戻しますが、ドラッグレースでタイムを出すという事は、いかに路面をうまく捉え前に進むのかという所に尽きます。

停止状態からスタートをするので、スタートをしてからいかに早く前に進めたか、タイヤスモークもせず動力をロスすることなく路面に伝えたかという部分が大きく出るのが60ftのタイムなのです。

路面のグリップ、タイヤのグリップ、タイヤの空気圧、エンジンの回転数、馬力、クラッチミート等の多くの要素が決まったときに、60ftで素晴らしいタイムが出ます。

60ftが速いという事は、その後の走行タイムが遅いわけがありませんね。

正直言うと、60ft以降はほぼマシン次第になってきます。ドライバー、ライダーの腕や、マシンのセットアップの差が問われるのは、スタートから60ftが大部分になります。

これは僕の理論ですが、一番理想的な状態は「タイヤが滑るギリギリの所で駆動し、フロントが浮くか浮かないか若しくは少し浮いた状態でリヤに全荷重がかかっている状態」が理想のマシン姿勢と考えています。

バイクのウイーリーバー無し車両の話ですが。

クラッチを切りすぎていたら、駆動力が足りません。クラッチを繋ぎ過ぎていたらフロントがリフトするか、タイヤスモークします。どちらも前に進む力を路面にうまく伝えられていない状態です。

そのギリギリのラインを当日の状態を踏まえ探っていき調整をし走行するわけです。

どうですか?深いでしょ?

第一戦余市での全車両中の60ftのベストは、ゼッケン853 渡辺選手 FC で1.459secです。

一方上士幌での全車両中の60ftのベストは、こちらもゼッケン853 渡辺選手 FC で1.165secです。このタイムは驚異的ですね。

上士幌は路面が非常に喰いました。スタート近辺は靴が脱げるほどです。

同じ車両なのに、60ftで0.3秒もの差が出ています。

上士幌では超ハイグリップな路面を、うまく捉えた人が好タイムを出していましたし、だからこそ日本レコードが2本も出ました。

当然ですが、クラスにより60ftのタイムは差が出ます。パイプフレームクラスとストックボディクラスでは、根本が違いますから。

ちなみにストックボディでの60ft最速は、ゼッケン657 桑山選手 フェアレディZ で1.444secです。こちらも速い!

バイクになるとゼッケン3 吉川選手 GSXR1000 1.532secです。

やはり60ftをうまく走った人は、表彰台に乗りますね。

しかし、ココが速いからと言って優勝が約束されているわけではないのが難しい所!

渡辺選手も桑山選手も、結果としては準優勝となっています。

うむむむ、やはり奥が深いですね。

上士幌での場合、本戦1本目で多くの車輌がスタートでミスを犯したり、ドライブシャフトが折れたりしていました。

あれは、その日の1本目ですからエントラントは路面状態はわかりません。大体の予想をしてスタートを切ります。が、路面のグリップが予想以上に高すぎてミスやトラブルにつながったのです。

バイクの場合は、ストールが多かったと思います。クラッチを繋ぎ切るタイミングが早すぎて路面にパワーが負け、エンジン回転数が落ち込んでしまうのです。

車の場合は、ドライブシャフトが5台近く折れました。これも路面のグリップが高すぎて、駆動力にシャフトが耐え切れず折れるのです。

ココは、本当に攻める所なので、皆さんギリギリで行きます。攻め攻めです。

という事は、「凄い見どころ」となるわけです。

スタートを失敗して、ストールしたり、ドライブシャフトが折れたり、ウィーリーしたりしていますが、この話を見た後は「攻めた結果のミス」として捉えてもらえると思います。

ただ単純に下手なわけでもダサいわけでもありません!

攻め攻めなのです!!



「スタート編」「60ft編」とお話をしましたので、かな〜りドラッグに対して理解が深まったのではないでしょうか?

大体皆さんスタート地点で、観戦をすることが多いと思いますので次回からはこのあたりを注目してみてください!

60ftが速いマシンは、1/4mileのタイムも速いですから!!

今までは、電光掲示板を見てもゴールのタイムでしか沸けなかったと思いますが、リアクションや60ftのタイムで沸いた貴方はもう立派なドラッグフリーク♪

次回も解説を交えMCをしますので、ご期待ください。

それでは、皆さん次回愛別でお待ちしております!