日産自動車NVシリーズ(NV350キャラバン/NV200バネット/NV100クリッパーリオ) トランスポーター・キャンピングカー専門店

NVの原点「ニッサン バン 80型」

2014年8月2日

2014年7月19日~8月31日(日)に日産グローバル本社ギャラリーで開催されている「夏休みファミリーイベント」
働くクルマコーナーに展示されている
1937年(昭和12年)年式「ニッサン バン(80型 三越カラー)」
名前もストレートでNV(ニッサンバン)の原点とも言える車輌。


展示されている車両は昭和13年式の80型で、戦前から戦後の昭和40年頃まで、三越が商品の納品などに使用していたもので、2002年に日産の社員ボランティアチームによって修復作業が行われました。



技能五輪のスキルと若き情熱で蘇った1937年式ニッサンバン80型
戦後まで活躍した三越の商品搬送車

昭和13年(1938)に発売された日産初の大型車「ニッサン」は、その後のニッサンブランドのルーツとなった初号モデルです。同モデルには、乗用車(70型)のほか、バン(80型)とバス(90型)があり、シリーズ合計で5,500台が生産されました。
現在、日産自動車には、1938年式の乗用車と1937年式のバンが記念車として永久保存されています。バンは1937年式の80型で、戦前から戦後の昭和40年(1965)頃まで、三越が商品の納品などに使用していたもので、大変長い期間活躍した貴重な車両です。
使用されていた当時の状態で保存されていましたが、塗装や一部外板部分の傷みが目立つようになったため、本格的な修復作業を行うこととなりました。



時を超えて伝わるクルマづくりの情熱

修復作業は、神奈川県厚木市にある日産テクニカルセンターの生産技術本部試作課で行われましたが、当時の資料が少ないうえに、本業の合間をみての作業となり、2年3ヵ月の難事業となりました。
その間、クルマづくりの技能の伝承という意味を兼ね、技能オリンピックで優秀な成績を収めたベテラン技能員が指導やアドバイスに当たるなどして作業を支援、2002年10月に完全な姿に修復され、内輪の披露会が行われました。
当日は、ニッサン車誕生当時に宣伝担当課長だった元米国日産社長片山豊氏も訪れ、修復作業で蘇ったバンを前に発売当時のエピソードや修復作業の苦労話を交歓したり、一緒に記念写真を撮るなど感慨深げなご様子でした。
プロジェクトのまとめ役を務めた試作課・佐藤昇課長によれば、「一番苦労したのはエンジンでした。外部の旧車愛好家の方のご好意で提供いただいたエンジンなども使わせていただき数基のエンジンから完全な1基を組み上げましたが、エンジンに火を入れた日の感激は、スタッフ全員、一生忘れないでしょう。機械も素材も不自由だった戦前に自動車を量産することは、大変な情熱を必要としたのではないでしょうか。大いに学ぶべきものがありました」ということでした。



DATSUNFORUM.COM参照



ニッサン バン
年式 1938年
型式 80型
全長 (6,338mm)
全幅 (2,161mm)
全高 (2,655mm)
ホイールベース 3,251mm
トレッド(前/後) 1,664/1,600mm
車両重量 (3,315kg)
エンジン AT型(直6・SV(サイドバルブ)) 3,670cc
最高出力 63kW(85ps)/3,400rpm
最大トルク 226N・m(23.0kgm)/1,200rpm
サスペンション(前/後) リーフ10枚/リーフ11枚リジッド
ブレーキ(前/後) ドラム(前後共)
タイヤ 6.00-32 8PR(前後共)

1937年(昭和12年)3月に、70型から「ニッサン」ブランドの生産が始まりました。当時、自動車先進国であったアメリカのグラハム・ページ社から設備などの譲渡を受けてスタート。ニッサン バンも、「ニッサン」ブランドの最初の1台に入ります。記念車は「三越」の文字からも分かるように、商品搬送用として三越が使用していました。驚くことに、1938年(昭和13年)から、1965年(昭和40年)頃まで現役で活躍していました。タフな作りと実用性の高さを証明しています。搭載されていたエンジンは、3670cc・85馬力の直列6気筒で、必要十分なパワーを誇りました。また、日本初のセミキャブオーバースタイルも好評で、バスやトラックがセミキャブオーバースタイルになる先駆けといえる存在です。

日産自動車ホームページ参照

>>日産キャラバンの歴史(NV350 CARAVAN History)