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アシャンティ 22インチホイール クロームメッキ腐食修理を兼ねてブラッシュドへリメイク

2018年9月19日
アシャンティAF211 22インチです。
アウターリムとディスクがクロームメッキで、クロームメッキお決まりの腐食メッキ浮きが結構酷い状態です。特にディスクのボルトホール周辺は酷いです。
クロームメッキは塗装の剥離のように剥離液では剥離出来なく、電解剥離という専用の方法になり、専門工場に外注しての剥離になります。この電解剥離はそこそこ金額が張り、今回はリムもディスクも電解剥離になるため、トータルの費用的には2セット8本をリメイク出来る位になります。



◉電解剥離後の状態
電解剥離に数週間はかかるため、分解をし先に電解剥離に外注に出します。
電解剥離から戻って来た状態の画像です。
リムは下の方は1周満遍なく腐食浸食していましたが、下の方はディスクに隠れますので問題ありません。
ディスクに隠れない中間から上は部分的に何ヵ所だけ浸食跡がありましたが、想像していたよりも少なかったです。





ディスクはボルトホール周辺がかなりメッキ浮きが酷かったので、ある程度は想像していましたが、想像通り浸食は酷かったです。





◉インナーリムのシルバー塗装
インナーリムはクロームメッキではありませんでしたので、特に問題は無く、いつもと同様に回転研磨にて下地を整えてからシルバーをパウダーコートします。






◉アウターリムの鏡面ポリッシュ研磨
腐食の浸食が残りそうな物はブラッシュドの方が幾分目立たなくなるので、ブラッシュドの方が良いのですが、それら踏まえた上で鏡面ポリッシュをご希望されました。
腐食浸食跡は削り込むしかありませんが、リムはそもそも厚みに余裕はありませんので、部分的に腐食浸食跡は残りました。が、事前に想像していたよりは軽く済んだと思います。





鋳造や腐食がある物をそのままいきなり本番塗装&200℃で焼き付けると、鋳造巣穴や腐食箇所から沸きが発生し、塗膜に気泡や染みを作りますので、本番前に200℃×数十分で下焼きを行います。この下焼きの段階で出る物を出してしまおう、と言う理屈です。下焼きを行っても沸きが出る物も中にはありますが、下焼きを行わないよりも沸きの発生率はグッと下がります。
今回は目に見えて腐食浸食跡が残っているので、十分に下焼きを行ってからクリアーをパウダーコートです。




◉ディスクのブラッシュド加工
ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を済ませます。
天面高い面はブラッシュドに、一段低い面はメッキ調ミラークロームにしますので、一旦ミラークロームにて丸塗りをします。この時もリムと同じで、十分に下焼きを行います。





ディスク天面のミラークロームを削り落としながらブラッシュド加工をします。
と同時にボルトホール周辺の腐食浸食跡も削りを入れます。クロームメッキ電解剥離前も剥離後の状態を見ても、少なからず腐食浸食跡は残ってしまうだろう・・・、と覚悟はしておりました。
結果、大袈裟には残らずに済みました。部分的に多少残ってしまう個所はありますが、これ以上削り込んでも大きくは解消にならないと判断したところで削りをやめます。







ミラークローム塗装前に下焼きを行いましたが、クリアー塗装前にも再度下焼きを行ってからクリアーをパウダーコートです。




◉組み付けをして完成です
ピアスボルトに腐食は無かったので、洗浄で綺麗なクロームに戻しました。













クロームメッキベースのリメイクは電解剥離で余計にコスト増ですし、メッキ浮きが出ている物は素地は酷く侵されている物が多いため、コストが倍かかる上に腐食浸食が仕上がりに影響するため、普通の塗装物に比べるとトータル的にコストもリスクも高いリメイクになります。
仕上げが何色かでの塗装仕上げにする場合は、カラーで全て隠す事が出来ますのでどうにでも出来ますが、今回の仕上げのようにポリッシュやブラッシュドは素地その物の表現になるため、お化粧で隠す事は出来ません。
今回もお問合せをいただき、現物を見た当初は、結構腐食浸食跡は残るだろうと想像し、その可能性をご説明し、場合によっては途中で仕上げを変更する事も示唆しながら進めました。
多少は覚悟の上ご了解を得られていた事もあり、結果的にあえて仕上げを変更する程では無く済んだ、と言うところでしょうか。