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ホイールビルドのカガク-06 〜キシリウム イソパルスに学ぶ〜

2016年12月25日
ホイールビルドのカガク6回目はキシリウム イソパルス編です。

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キシリウムエリートのイソパルスです。

まず「イソパルスって何ぞ?」という方のために。
ドライブ(右)側をストレートスポークでラジアルノンドライブ(左側)をストレートスポークでタンジェントにするマヴィックのホイールの組み方です。

左右のスポークからリムへと伝わるトルクのバランスをよくしている極めて理想的な組み方です。

過去にも何度か書いていますが、ラジアルは、BA(ブレースアングル)が大きくなるので横剛性最強タンジェントはBAが小さくなるので駆動剛性が強くなります。

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↑タンジェント側の写真です。
ハブセンター〜スポーク〜リムのなす角が(ほぼ)直角になるようにフランジの大きさを設定している意図を感じます。直角が駆動剛性最強です!

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↑つづいて別アングル。
リムに駆動トルクを伝えるスポーク、写真だと下向きのスポーク(以下「プル」側と書きます)のBAが少なくなるようにフランジの内側にスポークヘッドが置かれています。
左側は駆動剛性を重視しているということですね。
それに対して、写真で上向きのスポーク(以下「プッシュ」側と書きます)は、「プル」側のスポークよりもBAが大きくなります。(左側の横剛性を高めるため?)

ところで、このスポークの配列は シマノの7800シリーズのホイールに採用されていました。

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↑WH-7801-SL ハブ

とてもよく似ていますが、違いがあります。ハブ側にニップルを持ってきていることですね。
こうすることで、ラジアル側のスポーク〜ニップル〜ハブフランジ間の接触面積が増え、フランジが変形しにくくなっている・・・と思います。
プッシュ」と「プル」の並びはイソパルスと同じですね。
さらに、リアリムはオフセットがあるので当時これを設計した方々は、本当に良いものを作られたと思います。私事ですが今でも大事に使っております

ちなみに、
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ISM4Dのマヴィックリムもオフセットをとっています。

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さて、まとめです。

右側に書いた「ふつう」は、ベンドスポークで左右対称のスポーク配列で組んだリアホイールの模式図です(←3xに特に意図はありません。タンジェント組と解釈してください)
一方の左側に書いた「オフセット」の方はキシリウムのイソパルスの模式図です。

ふつうの方は、左右対称のスポーク配列ですので、BAが不均一(差が大きい)になって、ハブからリムへの駆動トルク伝達差が大きくなります。バランスが悪いということです。
パワーのある人が鬼コギすると、リムが左によれて、かかりが悪いホイールになります。

それに対して
オフセット+イソパルスの場合は、BAの左右差がドライブ側のラジアル組によってかなり是正させています。それに加えて、オフセットリムによって、BA左が減り、BA右が増えます。
BAの左右差が少なくなるので、ハブからリムへの駆動トルク伝達差が小さくなりバランスがよくなります。
そのため、パワーのある人が鬼コギしても、リムが左によれにくい、かかりの良いホイールになります。

注:上の図では、「かなり狙って描いた」感がありますので、現実にはもっと角度差はあります。

このようにキシリウムシリーズは左右同数のメタルスポークホイールで、イソパルスオフセットリムを駆使して、この条件下で「できること」をすべて実施しているので、かかりの良いホイールだということになります。

以上、〜キシリウム イソパルス に学ぶ〜 のお話でした。