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トレイル経験半年 2019ハセツネ30kをサブ3.5を目指しサブスリーランナーの意地で走る

2019年4月2日
ハセツネCUP71.5kへ続く前哨戦

トレイルは昨年9月のルスツトレイル(61.3㎞、D+3,860m)に初参加後、12月の房総半島横断2018トレイル(66.70km、D+2,760m) に次ぐ3度目の挑戦。
ほぼトレイル経験が無い状態で昨年の大会はぶっつけ本番で臨んだが、スタート時は雨でぬかるんだ先が読めない暗闇の中をひたすら走るというアドベンチャー的な魅力にすっかりはまってしまった。

今回は毎年10月に開催されているハセツネCUP(距離71.5㎞、D+4,580m)の優先エントリー権を得るためにこの大会の参加を決めた。男子1,000位以内、女子100位以内で獲得できるとあってこの大会もまたエントリーはクリック合戦となっていて開始から15分前後早々に締め切りとなった。

レース情報は主に過去に出場した人のブログ記事をインターネットで探し、その人のフルマラソンのベスト記録などを参考に自分のタイム予測をする。よく大会で走るコースなどもyoutube動画でアップされているが、楽しみが半減してしまうのでコース図以外はほとんど見ない。
昨年のリザルトを照らし合わせた上で目標をサブ3.5h、総合順位90位以内とした。


【大会概要】
ハセツネ30K
◉距離30㎞、累積標高D+2,300m、制限時間7時間(関門2箇所)
※パンフレットでは累積標高が表示されていないが、走り終わった後のGARMINの計測ではD+1,600m、距離32㎞

【エントリー数】
 <男子>     
  • 10代- 7人       
  • 20代- 85人      
  • 30代-388人     
  • 40代-727人     
  • 50代-391人     
  • 60代- 45人      
  • 70代- 1人
 計 1,644人     

 <女子>
  • 10代- 2人
  • 20代- 23人
  • 30代- 54人
  • 40代-118人
  • 50代- 51人
  • 60代- 3人
計  251人  合計 1,895人
※DNS者がいるため実際の出走者数と異なります。

【コース図】


【高低図】


大会前日の会場での事前受付は16時迄となっており、レンタカーで向かったが飛行機の遅れやレンタカー会社の窓口の混雑、高速中央道の渋滞で間に合わず当日受付に切り替え、同じく走る福島県の友人と夕食を共にし楽しい時間を過ごした。

当日受付は7時〜8時でスタートは8時半となっており、ゴールタイム予想のプラカードが「3時間、4時間、5時間、6時間〜」立っていて自己申告でそこに並ぶことになっているが1時間以上も前から場所取りで並ぶと誰かのブログに書いていたため事前受付の始まる15分前に行くと既に数十人が列をなしていた。

【当日受付の様子】


【スタート地点】


【荷物預け所】


【会場付近の景色】


受け付けを済ましゼッケンを付けると荷物預け所に向かった。スタッフはみんな手慣れた感じで誘導しているのを見てあらためて歴史の深い大会なんだなと感じる。みんな笑顔を絶やさず会場内はミュージックが流れお祭り感が漂い心地よい。トレイルはやることはハードだが全体的に和やかでどこか解放感がある。自然の中だから余計に感じるのだろうか。

気温は8度前後、日中は18度位まで気温が上がる予報だ。昨夜から朝にかけての雨も降り止み、曇り空で山腹は霧ががっている。前回の大会は67kmの距離がありロード区間も多いことからロードで普段履き慣れているNike ペガサスターボで臨んだ。だがやはり山に入ると足元が滑り思うように力が入らなかった。レースをトータルで考え次回はトレランシューズで走ると決めていた。今回はSalomon Sense pro2。La Sportiva AkashaとAdidas Terrexなど選択に迷ったが、山で走る練習自体していないのでどれもほとんど履いていない。結局のところどれが合っているのかはよく解ってはいない。悩んだところで意味が無い。靴によってはレースに相当の影響が出る。以前はそんな大差は無いと思っていたが、タイムに拘るようになってからはかなり身体の感覚がシビアになっている。唯一今回のレースの心配事を上げるならば靴。それ以外の心配は何もない。どうして毎回レースに出るたびに苦しみの極地を味わっても尚且つ自分をここまで信じ、期待を抱けるのか(笑)


予定通りスタート1時間前に3時間のプラカードの列の前方1/3位前に並ぶ。もうすでに並ぶ列の密度間は8割位になっている。

このレースはゴールまで食料、水の補給場は無く、誰かのサポートを受けた時点で失格となる規定だ。スタート前の受付では1.5ℓ以上の水と補給食と登山用レインウェアーの上下を持って走ることが条件とされ、受付では全ての用意があるかチェックがされる。レインウェアーは防水処理されたものであるか縫い目部分のチェックまで受けた。山岳保険の加入証明書の提示も義務となっている。

なるべく軽く走りたいので必要最低限の物しか持たないのだが、自分と比べトップ集団の選手達はとにかくリュックが薄い。みんなハイテクな軽量コンパクトのレインウェアーなのだろう。帰ったら早々に調べてみようと心に思う。

レース前に聞いた話だが、過去の優勝者の中でゴール後にリュックがあまりに薄いので周りの人がクレームを入れチェックを受けたところ、所持物の義務違反により失格になった時があったとのことだ。少しでも背中を軽くしたいがルールの範疇で行わなくてはならない。


カウントダウンと共にラッパの合図
スタート
スタートと共に堰を切ったかのように一斉に飛び出す。北沢峠までのロードの9.7kmが勝負所。峠の入り口より一列の登行となるため、追い越しがしづらく大幅なタイムロスになってしまう。予定通り4'15"/㎞、40位前後で進む。ここまででも標高300m以上駆け上がらなければならないため4㎞以降から既に息は上がっている。
「ここを乗り越えれば残りは20㎞。終わったようなもんだ。」
と軽く考えていたけれど、後から思うとここからが勝負の始まりだった(笑)


登山道の多くは木の根が四方に浮き出て張りめぐらされておりとにかく足場が悪く、普段以上に腿を上げて走らなければ何度もつまづく。


上りではいい線を行っているのだか、いつものように下りに入ると後続選手に次々と抜かれ出す。上位の選手はどんな足場であろうと4'00"/㎞以上の速度で、軽快に下りて行く。今年は徹底的に下りをマスターしようと悔しさを噛みしめながら心に誓う。
それでもいつもレースでは笑顔を心掛けている。今こうして自由に走れる環境すべてに感謝を込めて走り続ける。



20km付近で気が付くとがむしゃらに走っていたため一度も水分をとっていなかった。何口か飲み走りながら水を捨て背中を軽くする。
履いている靴は比較的薄底のため、下りの度に足裏に衝撃が走り思うように速度が出せない。

「最近はロードでは軽くて厚底のNikeヴェイパーフライやペガサスターボがしっくりはまりそれ一辺倒のため、それ用の走り方になっているのか脚が弱くなったのか。そんな道具のことよりもっと根底の山を走る練習をしなければ速くなるはずもない。」
思うように走れず悔しさの余り余計なことをついつい考える。集中が途切れている証拠だ。もう50人以上には抜かされている。ただただ走っていて悔しい。


下りでつまずき頭から2度転倒したが間一髪、手をつき難を逃れた。本当にスリルがある。転んで当たり所が悪いと死んでしまうなといつも思いながら走っている。まさか岩場をこんな速度で駆け下りる世界があるなんて一般の人は想像がつかないかも知れない。



中には前半抑えて後半勝負的なことをいう人も多いが自分はそうは思っていない。体力的なものと精神的なものはまた別のものであり、過酷なレースほど体力を超越した精神的な比重が高まっていく。当然現実的なタイムを目標には置くが、毎回心のどこかでとんでもない記録を出せるんじゃないかという期待と興奮がある。その挑戦が楽しい。


たぶんその内、ゴールかリタイヤなどという一か八かの熱いレースはできなくなるとは思っている。ただ今は可能性がある限り自分信じてを悔いなくやりたい。



ゴール
悔しさいっぱいのゴール。


最後は、目標の3.5時間以内に2分届かず。今回もまた力を全て使い果たした。

ゴール後にハセツネCUP20回以上出場の招待選手で、UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ 160km)も数度完走の人に話掛けられた。
「途中であなたに抜かされたけどとてもいい立派な走りをしていたね。自分は毎回ハセツネCUPは上位10%以内には入っているけどあなたはまだまだ上を狙えるね。また会いましょう。」
その言葉がすごく嬉しく今日の全てが報われた気がした。


【記録】
3:32'01"
総合 132位
年代別40代 44位/636人

出走数 1,648人(男子1,460人 女子188人)




【参加賞】



【打ち上げ】