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2025IAU24時間走世界選手権 (フランス/アルビ) メダルへの挑戦

2025年10月31日
IAU24時間走世界選手権 (フランス/アルビ) メダルへの挑戦

5月25日の世界選手権 日本代表第ニ選考レース(2025IAU24時間走世界選手権 日本代表を目指す最後の挑戦)を終了後、7月8日にバットウォーター135への参戦(ウルトラマラソンの極地 バットウォーター135へ初めての挑戦)を果たし、これまでの集大成と位置付けているIAU24時間走世界選手権に気持が向かう。



〔大会概要〕



  • 2025 IAU 24H World Championships(IAU24時間走世界選手権) ※2年に1度開催
  • 開催地 : フランス アルビ
  • 開催日 : 2025年10月18日 スタート10:00〜終了19日 10:00 (日本時間 : 18日 17:00〜19日 17:00)
  • 競技 : 24時間の走行距離を競う
  • 種目 : 個人、団体(個人戦での男女それぞれ上位3名の走行距離の合計)
  • 参加国 : 46カ国
  • 日本代表選手 : 男女それぞれ4名

〔コース〕
  • 競技場内外を繋ぐ1,500m 周回




  • 【トレーニング】

    じっくり時間をかけて距離を踏み、筋トレや低酸素でのトレッドミルも合間に取り入れながら、10月18日の本番に向けて日々目的を持って練習を続けていた。
    8〜9月は気温の高い日が多く、疲労がなかなか抜けず、「本当に走力は戻るのだろうか」と不安になることもあった。しかし焦らず、計画を信じて一歩一歩こなしていくことにした。

    少しずつ、距離中心の練習から速度を意識するトレーニングに移行。10月に入り気温が下がると、驚くほど調子が上向き、胸を撫で下ろす瞬間もあった。
    日ごとに期待と不安が交差する、この微妙な心の揺れもまた、練習の一部だと感じていた。


    〔RUN〕
    • 7月 740㎞、25run、累積標高+4,679m
    • 8月 1,101㎞、30run、累積標高+8,530m
    • 9月 903㎞、28run、累積標高+6,893m
    • 10月1〜17日 294㎞、14run、累積標高+3,102m




    9月に地元、余市町のお計らいで北海道新聞社から取材を頂いた。




    【レース前日 パレード/開会式】




    【スタート前】




    この世界戦は、ただのスポーツ大会ではない。国と国との戦いであり、これまで30年以上の長きにわたりバトンを繋いできた関係者の努力に報いるため、そして未来に希望を繋ぐためにも、結果を残したい――そう強く思ってきた。

    現在の力では個人戦で上位入賞は望めない。

    しかし、団体戦(個人戦で上位3名の走行距離の合計)では、780㎞(260㎞×3人)以上を目標にすれば、メダル獲得の可能性が十分にある。この目標に向けて日々走り続けてきた。(※過去1年の代表選手のベスト記録 : 小谷選手264.509㎞、櫻庭 262.302㎞、荒井選手261.280㎞、福元選手252.104㎞)

    不安が大きくなる日々の中、ただひたすらに走り、心の中で「今日やったことのみが明日に繋がる」と自分に言い聞かせ、逃げ道を塞いできた。


    10時スタート

    「大丈夫。これまでやってきたことを信じ、仲間を信じ、幸せを感じ、最後まで走り切るだけだ」


    体調不良で急遽出場を断念した小谷選手のためにも、全力を尽くさなければならない。1人の失敗も許されなくなった。3人全員、自己ベストを越える記録が必要――それが現実だった。

    「確率はそう多くは無いかもしれない。それでも可能性を信じ積極的に勝負に出て勝ち切るしか道は無い」

    きっと3人全員が同じ思いでスタートラインに立っていたはずだ。


    スタート時の気温は10度。しかし数時間で24度近くまで上がり、日没の19時まで下がらない。この時期としては過酷な環境の中、皆、苦戦を強いられた。

    そんな中、日本のサポートスタッフ陣が懸命に支えてくれた。背中を押してくれる存在があることを実感し、「これは自分だけの戦いではない。陽が落ちたら復活してみせる」と心に誓う。


    希望を胸に飛び出した戦士たちは、時間とともに羽根をもがれたかのように疲弊しながらも、必死で歩みを進めている。それぞれの思いを背負って。

    そんな姿を目にする度に、自分の姿と重ね合わせ思わず涙が込み上げる瞬間もあった。


    どんなにもがいても復活の時間が訪れない。だけどどんなに恥を晒しても最後まで走り切らなくてはならない。
    「挑戦には成功と失敗がいつも背中合わせにある」


    長い24時間がもうすぐ終わる。

    サポートスタッフと共に戦った24時間は、苦しくもかけがえのない時間だった。

    日本男子は惨敗を期した。それも歴史的な惨敗。

    ただその裏には、日の丸を背負いメダルを賭けて果敢に挑んだ姿が確かにそこにはあった。


    すべての皆さまに感謝します。

    ありがとうございました。


    ■結果
    • 個人(男子) 44位 / 205人
    • M50(50〜54才) 2位
    236.947㎞
  • 団体(男子) 32位 / 41カ国
  • 606.778㎞

    〔表彰式 / 個人(男子)M50(50〜54才) 2位〕



    最後まで壮絶な戦いを繰り広げた日本女子選手たち。個人戦では、世界記録保持者の仲田選手が自身の記録を更新し、見事3位に輝いた。

    団体戦でも、日本女子チームは全員が最後まで粘りの走りをし、イギリスやオーストラリアに続く3位という結果を手にした。表彰台に立つ彼女たちは、どの国の選手にも負けず劣らずの輝きを放ち、努力と誇りが一体となった瞬間を体現していた。

    〔表彰式 / 団体(女子) 3位〕



    世界選手権が終わり、あっという間に10日が経った。最後まで気概を持って闘った結果なのか――そんな自問自答をしながら日々、走り続けている。

    「このままでは終われない」――悔しさを胸に刻み、まだ先にある輝かしい未来を信じて、歩みを止めずにあと少し進みたいと思う。
    まずは、日本代表に内定している来年5月23日開催の 2026 IAU 24時間走アジア・オセアニア選手権 に向け、日々努力を重ねていく。


    次戦

    2025 東呉国際ウルトラマラソン24時間走




    【おまけ】

    〔個人(男子) 優勝 KACHUK Andri/ウクライナ選手と〕




    〔フランス/アルビの街並み〕



    〔世界遺産/司教都市アルビのサント=セシル大聖堂〕