リム曲がり修理不能のワークVS-Editionをリム交換オーバーホール
四半世紀以上昔のホイールです。
現在のワークホイールは、3Pと謡われていてもアウターリムとインナーリムが溶接されている実質2P構造だったり、2Pと謡われていても、ダミーピアス付きのディスク溶接で実質1P構造だったりがほとんどですが、この当時のワークは、このVS-Editionはじめ、E-Wing、レイバー等々、本当の3Pとして組まれている物が多く、あくまで個人的なイメージですが、この当時の作りの方がホイールらしいと言いますか、王道の感じがします。
今回はそんな貴重な昔のワーク3Pホイールですが、事故で1本リムを強烈に曲げてしまい、修理も不能のため、この際アウターリムを今より深いリムに交換と当時に、全て綺麗にフルオーバーホール再塗装ご希望で、兵庫県よりご依頼いただきました。
リバレルリムは届くまでに2〜3ヶ月程かかりますので、先に発注をし、届くまでに他の出来る作業を進めていきます。
インナーリムは再使用しますので、元の塗装を剥離し、回転研磨で素地を整えます。
インナーリムはオリジナルと同じくシルバーにするので、シルバーをパウダーコートします。
ディスクも塗装を剥離し、ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、素地を整えます。
同じくシルバーにするので、シルバーをパウダーコートします。
焼き付けて一旦硬化後にクリアーをオーバーコート、もう一度焼き付けます。
ピアスボルトはゴールドメッキ調にします。
ゴールドメッキ調は、クロームメッキを透かせてキャンディーゴールド塗装でゴールドメッキ調にしますので、元のメッキは洗浄で綺麗になればキャンディーゴールド塗装だけで済みますが、錆が出ていたりで綺麗にならない場合は、再メッキをしてからキャンディーゴールド塗装にします。
今回は古い物なので、再メッキを+キャンディーゴールド塗装にしました。
アウターリム入荷です。
元々より少し深いリムに交換です。
リバレルリムのアウターはポリッシュの状態で入荷するので、ポリッシュご希望の場合はそのままで良いですが、多少擦れ跡や磨きムラ等はあるので、自社で磨き直しています。
ポリッシュに対してのクリアー有無はご希望で選択になります。
鏡面の輝き重視はクリアー塗装無し、メンテナンス性重視はクリアー有り、と言う感じになります。
ただし、クリアー塗装無しは保護膜となるクリアー膜が無いので、徐々に酸化により白濁りしてきます。
酸化白濁りはDIY手磨きで解消にはなりますが、定期的にメンテナンスをしながら維持していく必要があります。
一方クリアー塗装有りは、クリアーが保護膜となるので、酸化白濁りはしませんが、鏡面無垢の状態に比べると1〜2割程ギラっと感が引けます。
また、いずれクリアーの下に水分が混入し、それが白錆となります。
白錆は、クリアーを剥離し素地を磨かなければ除去になりませんので、DIY処理は出来ません。
以上のように、ポリッシュに対するクリアー塗装有無はどちらも一長一短あります。
今回はクリアー有りご希望ですので、クリアーをパウダーコートします。
あとは組付けて完成となります。
アウターリムに貼ってあったVS-Editionのステッカーも複製して作り直しています。