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MAE EVO-1 19インチ フルオーバーホールと同時にリム交換(リバレル)&PCD加工

2019年2月15日
MAE EVO-1の19インチです。
このホイールも入庫の多いホイールです。
今回は、フルオーバーホールと同時に、リム交換(リバレル)とPCD加工ご希望で三重県からご依頼いただきました。リム交換ににより、現状よりも太さを太くします。




◉現状のサイズ
MAEもそうですが、OZ系のリムには側面に、アウターリム+インナーリムのそれぞれのサイズの打刻があるので分かりやすいです。
フロントが、アウター3.3インチ+インナー6.2インチの9.5Jです。



リアが、アウター3.8インチ+インナー5.7インチの同じく9.5Jです。



今回はこれを、このように変更します。
・フロント アウター5.0インチ+インナー5.0インチの10.0j
・リア アウター7.0インチ+インナー5.0インチの12.0j



◉PCD加工
PCDは現状の112から114.3へ変更します。
112と114.3で差が2.3㎜、PCD差にすると1.15㎜になり、現状の穴の中心より1.15㎜外側へ中心を移動させた位置へテーパーブッシュを圧入します。




◉ディスクのシルバー塗装
元の塗装を剥離し、サンドブラスト研磨からバレル粗研磨で塗装の下地を作ります。
1コート目にシルバーをパウダーコートし、焼き付けて一旦シルバー硬化後に、クリアーをパウダーコートします。






◉センターキャップの復元
MAEはこのセンターキャップの復元に一番手間がかかります。
元の塗装を剥離し、中心部を黒に塗装します。



次に、黒の面に色が付かないように養生をし、シルバーをパウダーコートします。



次に帯部分を切削にします。
文字が掘ってありますが、元々掘りがかなり浅いので、切削には注意が必要です。





今回一番悩んだのが、センターのオーナメント部分です。
元々のオーナメントは、0.5㎜程の極薄のアルミ板です。これが現状ではフニャフニャに曲がっており、仮に板金をしたとしても満足な仕上がりにはなりそうにもありませんでした。
そこで、3㎜厚の丸状にアルミ板を切り出し、中心から外周に向かうにつれてアールを付けて削り込んで、外観上湾曲しているように作りました。



ロゴはカッティングで製作し、貼り付けてからクリアーで閉じます。



センターキャップ本体と合体させて見事復元できました。



今回センターキャップはこれだけではなく、元々付いている物は使わずに別にご用意された物を使いました。
元々付いている物と別でご用意された物の湾曲の仕方の微妙な形状が違い、ピッタリとホイールに密着しませんでした。そこで、プレスで微妙に湾曲を付けてなんとなピッタリと密着するように形状加工もしました。



◉ピアスの再メッキ加工
MAEはピアス側がナットになっており、裏からボルトが入りますので、ピアスナットと言いますかね?
これは再クロームメッキ加工です。




◉リムの入荷です
リムは日本の代理店経由でアメリカのリムメーカーへ発注します。
リムメーカーでベース素材のある物は平均1ヶ月程で入荷しますが、ベース素材の無い物は2ヶ月、3ヶ月かかる物もあります。今回のリムは素材が無いようで、入荷までに通常よりも時間がかかる旨でしたが、当初の予定から2転、3転し、最終的には10月末に発注したリムが2月の中旬位に入荷になりましたので、3ヶ月以上かかった事になります。当初からこれ位かかる予定であれば仕方がありませんが、途中で2転、3転してここまでずれ込むとは、ちょっと日本人感覚では信じられません・・・。
特にここ最近は特別な理由があるようで、詳しい理由は「リム交換用リム/リバレル用リム納期について」にて公表しております。


インナーはフロントもリアも5.0インチで統一です。



アウターは、フロントが5.0インチ、リアが7.0インチです。




◉インナーリムのグレー塗装
脱脂洗浄をしてパウダーコートグレー塗装です。






◉アウターリムのクリアー塗装
アウターリムはリムメーカーにてバフ磨きの状態で届きます。
このままでも特に問題は無いのですが、バフ目やバフムラがありますので、自社にてバレル仕上げ研磨にかけてムラの無い鏡面ポリッシュにしてからパウダーコートクリアー塗装です。






◉組み付けをして完成です









今回はリムが中々入荷せずに、4ヶ月程と言う長きに渡ってのお預かりとなりました。
リム交換、PCD加工、ピアスのメッキ加工、オーバーホール、と言うフル作業で、ほぼオリジナルのサイズでホイールを作った、に近い内容になりました。
これぞワンオフのオンリーワンになったと思います。